ビジネス課題
魔法のような仕事と言っていいでしょう。MGM Resorts Internationalの財務およびITチームは、ベラージオやマンダレイ・ベイなどの特徴的な施設を含む、ラスベガスを始めとした全米15か所を超える施設を非常にうまくサポートしているため、チームがどのような業務に従事しているか、顧客が気づくことはありません。舞台裏では、食品・飲料、ホテル、エンターテインメントなど複数の業種が融合したこのビジネスのために、チームは銀行振込、クレジット・カード・データ、仕入先の注文などを処理する財務システムを管理しているのです。
しかし、2018年、同社の寄せ集めのシステム(一部は40年近く使用されていました)では、この魔法のような作業がますます難しくなっていました。「私たちは多くの場合、システムに手動でログインして必要な財務データを見つける必要がありました」とERPのエグゼクティブ・ディレクター、Emmy Kravetz氏は述べます。「非効率的で、矛盾が発生することもありました。私たちには、業務をより適切にサポートできる、より高度な機能が必要でした。」しかし、新しいアプリケーションに接続できず自動化のメリットを利用できないMGM Resortsのレガシー・オンプレミス・システムでは、そのような改革は不可能でした。
Oracle Cloudは、50,000人を超える従業員に対するデータの民主化を支援し、問題解決における自由度の拡大を従業員にもたらしました。
MGM ResortsがOracleを選んだ理由
MGM Resortsは、システムの統合、プロセスの自動化、価値の高いタスクへの従業員の労力の再転換を望んでいたため、テクノロジー・コンサルタントPwCにアドバイスを求めました。まず、合同プロジェクト・チームが変更について細かく計画しました。しかしチームは、最初に決算や勘定科目照合などのコア・システムの交換のみを検討した後、テクノロジーのみでなくビジネス・プロセスにまで及ぶ、より本格的な変更が必要であることに気づきました。そのレベルの変革にはクラウドベースのERPプラットフォームが必要であるため、PwCはOracle Fusion Cloud ERPを推奨しました。
「私たちはさまざまなシステムを検討しました」と、SOXコンプライアンス担当バイス・プレジデントのRob Wargo氏は述べています。「オラクルは、すべてのデータの統合、財務プロセスとテクノロジーのモダナイゼーション、クラウドへのすべてのデータの移行という我々が直面していた課題に対し、包括的なソリューションを提供してくれました。」
成果
この取り組みは、最初はラスベガスのすべての施設、後に他の全米各地のリゾートで、クラウドベースのコア財務機能を実装することから始まりました。プロジェクトが展開するにつれてテクノロジーがアップグレードされ、それに伴ってプロセスの改善が進んでいきました。
「古いシステムを使用した場合、たとえば、本当は3つのステップしか必要でないタスクを完了するために15ものステップを実行していました」と、ファイナンス・シェアド・サービ担当シニア・バイス・プレジデントのLara Brooks氏は語ります。「PwCからはビジネス・プロセスの変更についてアドバイスを提供してもらい、オラクルはクラウド・テクノロジーで当社の取り組みをサポートしてくれました。業務の簡素化により、現在では効率が大幅に向上しました。」
そのよい例が、MGM Resortsが銀行振込を処理する方法の変化です。以前は、従業員がゲームをする顧客やベンダーに手作業で資金を送金していました。現在、自動化により処理が高速化しています。「ベンダーを選ぶと、そのベンダーに関するあらゆる情報と資金の送信先がシステムに自動的に認識されます」とBrooks氏は言います。「いちいち考える必要がなくなったわけです。ほんのわずかの改善のように思われるかもしれませんが、大きな違いがあります。」もう1つ新しく自動化されたのが、一定期間内にカジノからベンダーに支出される金額が会社の制限を守っているか確認する作業です。
財務チームと会計チームはモダナイズされたツールを使用して、データをより迅速に検索し、顧客によりよいサービスを提供できるようになりました。従業員は、ゲストから請求に関する質問がある場合に、料金が食品、ホテルの部屋、ショーのどれに関連しているかにかかわらず、複数のシステムにアクセスして料金を調査する必要がなくなりました。情報は、一元化されただけでなく、セルフサービスを通じて入手できるため、従業員はより自律的に問題を解決し、ゲストを満足させることができます。
今は、すべての部門の従業員がより多くのデータにアクセスできるようになりました。「以前は、財務データにアクセスできるのは特定のユーザーのみでした。」とWargo氏は述べます。「Oracleを導入したことで、50,000人を超えるユーザー・ベース全体をサポートできるようになりました。また、当社のプロパティ・チームと財務チームは、適切なデータに適切にアクセスできます。Oracle Risk Management and Complianceおよびセキュリティ運用レポートを使用して、個々の従業員レベルまで制御できるため、従業員の業務を支援しながら、リスクの軽減とコンプライアンスの維持が可能になりました。」
クラウド・テクノロジーにより、データ入力や他の手動タスクに費やす時間が減り、ゲストの支援やビジネスの運営に費やす時間が増えているため、業務のやりがいも高まっています。従業員は、定型レポートの実行や仕訳の作成ではなく、データ分析や収益の強化に集中できます。
パートナー
PwCは、戦略の策定からOracle Fusion Cloud ERPの実装に至るまで、MGM Resortsと緊密に連携しました。Brooks氏は次のように述べています。「PwCは製品やビジネス・プロセスについて多くの知識があり、財務チームの働き方を変革するビジョンを持っていました。」
お客様について
MGM Resorts Internationalは、ラスベガスに着想を得たブランドを通して、29のユニークなホテルとデスティネーション・ゲーム・サービスで旅行者に独特の体験を提供する、グローバルなエンターテインメント企業です。